中小企業のためのDX入門 その1

マネジメント

中小企業・小規模事業者がDX化を進める上での最初のステップについて解説します。

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DX化を進めるための最初のステップ

中小企業の方々がデジタル化、DX化を考える際、難しいことがたくさんあるために、尻込みしたり、難しいと考えてしまい、動きを止めてしまうことが良くあります。

もったいない!とてももったいない!

せっかくの挑戦のチャンスなのに…

その挑戦の実現可能性を確かめてみてから、やるかどうかを考えてみても遅くないのでは?と思います。

情報の確認から進め、本当に無理かどうかを確かめるところまでは誰でも進めることができます。実は、あまり難しいことではないからです。

もちろん、専門家の協力を仰ぐのはいいことですが、社外の方より社内の人が確認する方が、本音が確認できてよいという面もあります。

出来るだけシンプルに、その確認方法とノウハウをお伝えしますので、ぜひトライしていただけると嬉しいです。

基本的なステップは以下の通りですので、まずは、確認を進め実現可能性を探求してみましょう。

確認すべきこと

  1. 経営課題を確認する
  2. 業務課題を確認する
  3. 経営資源を確認する
  4. DX化の進め方を確認する

確認すべきことは、上記4点です。これは、必ず、「経営者」様に確認します。

なぜなら、多くの中小企業、特に、オーナー企業様では、経営者の頭の中にこの情報があるからです。

話を進めていると考えが深まって二転、三転することもありますが、それはOK。その時々で修正すればいいのです。

まずは、基礎・基本になる情報の確認がある/ないでは天地ほどの差が出ますので、確認を進めてみましょう。

その1:経営課題を確認する

『経営課題』という言葉。もうなんかそれだけで難しそうで、ちょっと腰が引けますよね。

実際、本格的なDX化プロジェクトを進める上では、経営にまつわる色々な事を検討し、確認する必要がありますが、恐れるに足りず!本質的には、以下の3点がはっきりしていればOKです。

難しいことはなく、経営者の頭の中にあるモヤモヤやワヤワヤをゆっくり言葉にしてもらえれば大丈夫です。

  • 御社の現状の強みは何ですか?これから磨きたい強みは何ですか?
  • 御社が戦いに有利な市場はどんなところですか?これから戦いたい市場はどんなところですか?
  • 売上向上、利益向上、組織力強化のどれを優先的に改善したいですか?

専門家が支援に入っても、おそらくこの3つは必ず確認すると思います。

既にデジタル化、DX化の目的が明確な場合は、それに資する内容を確認しますが、漠然と『やらないといけないけど、何ができるんだろう?』という状態の時に確認することは、強みを生かして、強みが活きる市場で活躍するためにどうするか?また、それを踏まえて今後どうしたいか?です。

もちろん、弱みに注目したり、新しい市場への進出を考えることもしますが、まずは、現状、どんな戦い方をしているかを確認し、これからどうしたいのか?を確認し、現在の立ち位置を明確にします

また、売上・利益・組織力強化の3点については、優先順位を明確にして確認します。利益を上げるには、売上を上げるか、コストを下げるかの2択です。利益=売上‐コスト だからです。

どちらも優先したいという企業が大半ですが、この場合、経営資源に余裕があればよいのですが、そうでなければ、優先順位を決めます。なぜなら、売上を上げる施策とコストを下げる施策は別だからです。

別々の事を一気にやるには、それをやるだけの経営資源が必要です。経営資源が潤沢にあり、通常業務に支障が出ても新たな取り組みがうまくいけば大丈夫という状況は、中小企業ではレアケースだと思います。

一般的には、通常業務をやりながらDX化も進めることになり、それは仕事が増えることに繋がり、実行する現場が疲弊します。現場を疲弊させず、通常業務の成果を得ながら、新たな取り組みも進めるのであれば、一気にやらずにタスクを分散させ、段階的にやることをお勧めします。そのため、あえて、優先順位を確認するのです。

繰り返しになりますが、結果を着実に出すためには、あれもこれもと欲張って資源を分散させず、優先順を決めて、1つ1つステップを踏んで考えることが重要なのです。

特に、中小企業の取り組みにおいては、これがとても重要です。マネジメント理論の正しさはもちろん重要ですが、私自身は、中小企業の支援において、理論の正しさよりも、実現可能性ややってみて学んでいくという学習の効果が中小企業にとっては重要と考えています。

(この考え方が合わないという方もいると思いますが、26年間の中小企業支援の現場では、その企業に合ったマネジメント理論摘要のカスタマイズが成功のカギでした。ですので、理論的に正しいやり方がいいと思う方は、それで進めて頂ければよいと思いますし、亜流でも、実現可能性や学習の効果が重要と共感してくださる方は、参考にしていただければと思います。)

次に『組織力強化』。これは優先順位として売上・利益に並行して置かれる場合が多いです。

理由としては、経営活動の中の価値がどの程度達成できているか?という状況を即時に必要な条件で「見える化」できていない企業様が多いからです。

よくお話しいただくのは、『売上数字は管理している。今日のビジネスは今日中に部署単位で数字が把握できる。でも、顧客別、製品別には分からない。』とか『粗利ではわかるけど、営業利益ベースでは月次を締めないとわからない』とか『見込みの進捗は営業に聞かないとわからない。営業に聞いても、ざっくりの話しか分からない』などです。

それでも経営が回っているのは、その企業に力がある証拠です。一概に悪いとは言えません。

しかし、危機の時はどうでしょうか?想定外の事が起きた時、素早く企業の方向性を決めて取り組む必要がある時、まずは、見える化から…とやっていたら、中小企業の強みであるスピード感は発揮することができません。また、変化の激しい経済状況の中、タイミングよく変化を生み出していくためには、経営数字なり、顧客との関係性なりを適時見える化している事が必要になると思います。

が、残念ながらそれが難しく、出来ている企業は多くない状況です。

でも、諦める必要はありません。現状、それが出来ていなくても経営出来ているということは、力がある証拠です。この力が効果を持っているうちに、見える化してしまえばいいのです。ここで力を発揮するのがデジタル化・DX化です。ということで、最初の話に戻りますが、諦めるのはもったいない!今、挑戦しよう!という話になります。

で、『組織力強化』ですが、売上を上げるにも、利益を出すにも、いずれにしても人が動くからには、組織力を上げる必要があります。組織力を上げることと、売上・利益の関係は原因と結果の関係になります。この時、考えてほしいことは、原因を先に改善したいから、売上・利益は後回しとすることの是非です。私は、ここに「鶏が先か、卵が先か」の問題があるように思っています。

最初から売上や利益があるわけでなく、組織が出来てから売上や利益を出していくスタイルもあり得ると思いますし、魅力的な商品やサービスによって売上や利益を出してから組織を大きくしていくスタイルもあり得ると思います。そうなると、単純な原因と結果とだけは考えられず、売上・利益という目標と組織力の強化は並列になるのが現実的ではないか?と思います。

実際の確認の場面では、それらを並列にするか、因果関係にするかは言葉遊びの範囲になりますので、そこまで重要ではありません。ただ、『どっちも考えるべきこと』として置いておくことが大切だと思っています。

ですので、経営課題の確認においては、「売上・利益のどちらを優先するか?」と「組織力強化」の2つの視点で考えるとよいと思います。

経営課題を確認する方法のまとめ

確認事項は以下の3点です。

  • 御社の現状の強みは何ですか?これから磨きたい強みは何ですか?
  • 御社が戦いに有利な市場はどんなところですか?これから戦いたい市場はどんなところですか?
  • 売上向上、利益向上、組織力強化のどれを優先的に改善したいですか?

確認時のポイントは、

  • 売上向上、利益向上の目標については、優先順位をつける
  • 組織力強化は1.の目標と並列で置いて考える

の2点です。

頭の中で考えるだけでなく、できれば書き出す等、確認事項を「見える化」することをお勧めします。

本日のブログでは、中小企業がDX化を進めるための最初のステップ『経営課題を確認する』について、その方法とポイントをご紹介しました。

次回のブログでは、『業務課題を確認する』をお伝えしたいと思います。

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